私の本棚

(4月)





今年の桜前線停滞気味でなかなか開花宣言に至るまでにならないで、随分じらされたものです。
冬の陽気に戻ったかと思うと今度は初夏を思わせるような陽気になったりと、寒暖さの大きさも
その一因だったような気がします。

4月の8日頃春の陽気が戻り蕾が大きくピンク色に染まり、気温が初夏のような陽気にまで
なると朝蕾が固かったのに夕方には桜の花がちらほら咲き始め、翌日同じような暖かな
日射しのなか、気がつくと桜が一気に満開になってその移り変わりの速さにおどろいたものです。
そして、関東以西一斉に桜の花でいろどられるという現象の年になりました。

図書館の中庭の大きな桜の木も満開になりそれは、見事でした。

今月取り上げた本は、今は故人となられた作家と女優さんの身近に居た方がその方の
人となりを、又もう一人は長年連れ添った奥様が、夫であり、作家でもある「司馬遼太郎」さんの
思い出を綴ったものです。 






著者 福田みどり
著書 司馬さんは夢の中(中央公論新社)

作家司馬遼太郎の奥様の福田みどりさんが彼の人柄を
素直に書きとめた思い出の中のみどりさんにしか見せない
普段着の様子が手にとるようにわかって偉大な作家の
横顔を作家の顔とは余りにもギャップが大きいので面白い
と思ったものです。
著者 山崎洋子
著書 沢村貞子という人(新潮社)

沢村貞子さんのマネージャーをこなしながら、生涯にわたって
彼女の近くで素のままの沢村貞子という大女優の人となりを
丁寧にそして暖かな目で見届けた人。
信頼し任せきって最後まで看取られた山崎さんだからこそ
書くことのできた作品。沢村貞子フアンには、是非一読を
お勧めしたいです。






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