私の本棚(4月)



桜の季節の図書館が好きである。図書館の庭に大きな桜の木があって毎年見事に花を咲かせる。
桜の時期はあっという間に終ってしまうが、中庭の芝生の中に戸外でも本を読めるようにパラソルとイスを
置いてくれている。館内で読むのと違って自然の緑の中で爽やかな風を感じながら本を読めるのは嬉しい限りである。
今年は3月から4月にかけてとても多忙でゆっくりと本と付き合っている暇がなかった。
そういうときはグラビアが一杯載っている本を探すことにしている。

丁度いい具合に私の若い頃からの憧れのまと「オードリー・ヘップバーン」の本が目に付いた。
中を見開いて嬉しくなる。大抵の映画は映画館やビデオで何度も見る機会があったけれど映画に撮影されていない
画像がふんだんに掲載されている。ジヴァンシーとの出会いも麗しのサブリナ以来というから長い付き合いである。
好きなところから開いて読んだり、見たりできるこういう本は息抜きにとてもいい。

素敵な表紙が目にとまって手にとって見たら、青木奈緒さんという若い作者の本であった。
彼女は祖母が幸田文、母が青木玉さんという恵まれた環境の人で、以前に「はりねずみの道」という
ドイツ留学中のことをテーマにしたエッセイを出している。たまたま前作を読んでいたので、名前も記憶していたし、
前作同様に表紙を「安野光雅」さんに描いてもらわれていたので今回の本も前回同様にエッセイだと思って
手にしたのであるが、今回は小説のスタイルをとっているようだった。


パメラ・クラーク・キオ著
笹野洋子訳

「オードリースタイル」

オードリーヘップバーンの経歴、映画に出るようになった経緯、
オードリーヘップバーンのファッションにおおいにかかわった
ジヴァンシーとの出会い、友情溢れる付き合い、結婚、別れ、晩年の
生き方など。ヘップバーンの魅力をふんだんに取り入れた本。
ファン必見の一冊だと思います。私も若い頃はファッション、
ヘアースタイル何でも真似をした時代があった。
今でも彼女の魅力は廃れず年配の方から、若い人まで
ファンの層は厚い。
青木奈緒著

「くるみ街道」

小説のベースは前作「はりねずみの道」に登場する人物の
前作は学生生活が中心のエッセイだったけれど、この小説は
卒業後5,6年経過してそれぞれの道を歩みはじめた人物の
心の動き、描写におもきをおいて小説というスタイルにしている。
彼女の第2作目の本。主人公の京と彼女のボーイフレンドよりは
親密なという関係の2人を軸に心の変遷していく様子を描く。
前作の登場人物が全員出てこないのだが、あとがきで彼らの
消息を伝えている。青春小説といってもよいと思う。


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